第15回講演会
プログラム2
『がんは代謝疾患である!?』がんの本質とは?
-丸山ワクチンは有効か?-
京都大学名誉教授
からすま和田クリニック院長
和田 洋巳先生
1.免疫療法として丸山ワクチンを取り入れた治療
どうも皆さん、こんにちは。今ご紹介いただきました和田洋巳でございます。
江上先生及びこの会を継続されておられる皆様、丸山先生のご家族の方、こういうところに私を呼んでいただいてありがとうございます。
後でお示ししますけれども、私のところの患者さんの免疫療法というと、ほとんどが丸山ワクチンでやっております。
丸山ワクチンの投与を受けた患者さんは、1964年から2002年末までとここに出ていますけれども、15年前で35万6,000人、もう40万人ぐらいは超えているんじゃないかと思います。(図表1)
丸山先生は、結核患者にがんが少ないことに気づいてこういうことを開発されたと伺っておりますけれども、私も、医者になったころは、随分手術で肺結核の治療をしておりまして、確かにそういうことは感じましたけれども、後半になりますと、結核患者の中にがん患者が結構増えてきた。
だから、栄養状態がよくなって免疫が強い人はいいけども、免疫が弱くて結核になって、結核菌でも免疫が上がらなかったらがんが出るというようなことを感じておりました。
これは、丸山先生のされた仕事の一つで、胃がんで切除できなかった場合に、丸山ワクチンを上乗せすると成績が上がるというデータです。(図表2)
「Annals of Oncology」というのに出ておりますように、丸山ワクチンを上乗せした2B期から4A期の子宮頸がんにおいて差が出ているのだけど、いわゆる臨床の試験ではP値が0.05以上であるから、統計学的にこれは無効ということになり厚労省のオーケーが出なかった。これは後で森さんがお話しになると思います。
当院のワクチン使用例を2013年から4年間調べてみますと、200人以上の方がおられて、皆さん患者さんが希望されるのですけれども、大体1年に40人以上、ということは毎週1人ぐらいは丸山ワクチンを受けたいという方がおられます。(図表3)
2. 免疫療法と炎症
丸山ワクチンがどう効くのかと申しますと、先ほどオプジーボとかキイトルーダのお話が出ましたけれども、キラーT細胞が異物を認識して攻撃すると相手が死ぬというのがプログラムデス(プログラム細胞死)です。 PD-1というのは、キラー細胞が攻撃するのを抑えるための信号が出ておりまして、PD-1に対する受容体がPDL-1ですけど、これが合致すると、あんたは敵じゃないねと言って攻撃しない。 それでこれを働かなくすると攻撃するということでオプジーボがつくられ、今、キイトルーダというのも出てきております。 でも、非常に高い治療で、1年やると三千何百万円、安くなって半額ぐらいになっても一千何百万円、2,000万円弱いたします。(図表4)
丸山ワクチンは、先ほど江上先生がおっしゃったように、Toll-like Receptorというような炎症のほうからの自然免疫、一次免疫のほうからのシグナルで活性化されるんだということがお話で出ておるわけです。(図表5)
PD-1は炎症の部位で非常に活性化しますから、うっかりオプジーボとかキイトルーダを使いますと、甲状腺炎、それからⅠ型糖尿病、すい臓が攻撃されて働かなくなるというような形でかなり難渋する副作用も出てまいります。(図表6)
1人私の患者でも、オプジーボが効いたけれども、完全にインシュリン依存型の糖尿病になった方があります。
こういうものを働かすときに、慢性炎症がある場所を大人しくさせてからやらないと、免疫療法はなかなか効かないと考えられます。
3.症例1(乳がん、卵巣がんIV期、大量の乳製品と抗がん剤をやめ丸山ワクチンで元気に)
丸山ワクチンはどんなものなんだろうということを、私のところの症例を少し見てまいりますと、この方は、来たのが去年の春ですね。
元々東京におられて、ちょうど私のところに来る5年前に乳がんの手術を受けて、その後、抗がん剤をして2014年、2年前に卵巣がんの手術をした。
そのときに、卵巣がんが腹膜にばらまかれていた4期になりますね。
一般的に腹膜にがん細胞が播種、ばらまかれると、がん性腹膜炎というのが大体起こってまいります。
乳がんのときにノルバテックスというのを飲んで、これは女性ホルモン遮断薬ですけれども、体重が増加してぼんやりして、もう嫌になってやめたということで私のところに来られました。
卵巣がんはちょうどその10カ月ぐらい前に手術しておられます。
非常にヨーグルトが好きで、甘党で、たばこを吸って、基本的に乳がん、卵巣がん、それからS状結腸がん、肺がん、結構女性には合併して起こる病気で、大量に乳製品をとって腸内細菌叢が変わり、それによって胆汁酸代謝が変わると起こってくるというメカニズムが大体類推されますから、まず、そういうものを全部やめさせます。
マーカーはまだこのときは下がっていませんけれども、こちら見ていただいてわかりますように、私のところに来たのが2016年のこのころですね、リンパ球がぐっと下がってきました。
そして、うちに来て半年ぐらいしてマーカーが上がり出しました。
じゃあ、何かするかと言ったら、もう抗がん剤は嫌だから丸山ワクチンをしたいと。
そして、丸山ワクチンを開始したら、少し上がりますけど、むしろこのときおもしろかったのは、白血球の中の好中球がすとんと下がりました。
めったにこのパターンはとらないんですけれども、好中球が下がってくると、リンパ球の活性化がずっと上がってきますので、そうしますと、この方には非常にいい状態が起こって、今のところ腹水はたまっておりません。
4.症例2(中咽頭がん、丸山ワクチンで好中球/リンパ球比がさがってくる)
この方は中咽頭がんの放射線治療をして、抗がん剤をして、その後に丸山ワクチンを希望して来られました。
男の場合は、大体肉が好きで、酒を飲んでいる人がこういういろんな病気を起こします。
たばこをよく吸いますと、こういう咽頭がんが起こってまいります。
この方も、丸山ワクチンを開始しますと、最初ぱっと好中球は上がりましたけど下がってきて、リンパ球はじわじわと上がってくる格好で、好中球/リンパ球の比率はぐっと下がってきます。
これが大体一般的には、2を切るとよくなると言われています。
この方はまだ2を切っておりませんけれども、お元気に再発もなく来ておられます。
5.症例3(肺がん、丸山ワクチンでリンパ球アップ)
この人は、7年前に肺がんを手術したときに、リンパ節転移が鎖骨下静脈まで飛んでいまして、いわゆるN3と申しまして、3年生存率が10%ぐらいで、今から7年前に何とかしてくれとここに来ました。
なかなかリンパ球が上がらんというわけで、丸山ワクチンをスタートしますと、リンパ球は1,300が1,600と上がって、現在お元気です。
6.症例4(乳がん、子宮頸がんの手術後抗がん剤、食習慣の改善と丸山ワクチンでリンパ球活性は安定)
この人は比較的若い女性で、既に乳がんの手術を受けていた。
2011年に来ていますけど、2010年にはリンパ球が1,000を切るぐらい少なかった。
丸山ワクチンを来てすぐにスタートして、その後、子宮頸がんが見つかりました。
子宮頸がんの手術を受けたときに、骨盤内リンパ節に数カ所転移があって、放射線治療をと言われたけれども、抗がん剤だけ受けて放射線をやめると。
彼女は2011年から既に丸山ワクチンをやっていましたので、こういういろんな治療を行っても、最初900個ぐらいだったリンパ球が、だんだん上がって、1,770個になって、一方、好中球はぐっと下がってまいります。
好中球/リンパ球比は、だんだん下がってきて、もちろん波はあるけれども、非常に安定してリンパ球の活性が上がります。
この方はもう5年近く、時々さぼったりしながらだけどやっております。
長くすればするほど丸山ワクチンの効果は出てくるように思います。
この機序として、これは江上先生や飯田先生が研究しておられるから私の分野ではありませんけれども、先ほどおっしゃったように、一次免疫、自然免疫のほうからどうもキラーの活性を上げてくれる、免疫を活性化してくれるように思います。
それが証拠に、好中球という炎症を起こす細胞が低下していくのが何人かの方に見えます。
こういう人に食事をいろいろ変えていくと、たまに肉を食べると下痢をするから食べたくないとか、そういうように変わってきます。
この方は非常に元気に生活しておられます。
というわけで、丸山ワクチンはこういうぐあいに私の治療の中には入っているのですけれども、丸山ワクチンをしたからさっとがんが小さくなるというのではなく、その方の免疫系を強くするというぐあいに捉えていいんじゃないかと思います。
7.がんの本質は代謝疾患、生活習慣病
そうしますと、がんをどのように考えて免疫療法を足していったらいいか。がんの本質とは、代謝疾患、生活習慣病です。 だから、そこを治さないで治療しても、先ほどからの話にありますように、副作用がすごく出てきます。 それを治す方法はあるんですけど、第一線の先生方は余りご存じありません。
アマゾンにこの本売っているんですけど(図表7)、18個ぐらいコメントがある中で最低のランクがこれです。 食事は大切やけども牛乳がだめとか肉はやめろなんていうような人は怪しい。 あんたはどこまでがんを知っているかと私は疑っています。 がんを商売に利用しないようにというようなありがたいお言葉をもらいました。(図表8,9)
8.症例5(胃の悪性リンパ腫、食事と青梅エキス、ハーブで治療)
じゃ、食事でがんが治るのかと言われますと、この方は、胃の悪性リンパ腫で、来られたのが1年半前。
地元の病院で内視鏡下に生検をしたらびまん性大細胞型のB細胞リンパ腫です。
抗がん剤を勧められたけどしないと言って、僕の本を読んで来たら、ここがポイントなんですけども、
食事療法ががん治療の根本になります。
甘いもの、特にケーキが大好きということで、これが多分この方の原因だろう。
それとストレス、娘さんが病気で自宅で介護しておられて、非常にストレスフルだということです。
この方は、丸山ワクチンはしなかったですけれども、うちでよく使う梅の製品と、炎症を抑えるハーブをとっていますと、好中球が下がってリンパ球が上がってN/L比は下がってきま
す。
来たときのちょうど3~4カ月前ですね、これが胃の中の腫瘍で、非常にもろもろとした組織をとると悪性リンパ腫。
1年後に中をのぞきますと、抗がん剤を何もしてなくて消えており
ます。
これが2016年でこれが2017年。
今年ものぞいてもらったら消えています。
大体胃の中の悪性物が治るとき、最初レンガ状の汚い色の粘膜になって、これがだんだんきれいになるということは経験しておりますので、このままきれいになっていくだろうなと思います。
要するに、抗がん剤を使わずに悪性リンパ腫が食事だけで治りました。
このときお手紙をいただきまして、一番びっくりしたのは、娘の担当医のお医者さんで、食事だけで治ることがあるんだねというようなことを言ってくれたと書いてくれました。
ほかにもこういう方はあるんです。
ですから、先ほどのアマゾンのコメントに対する答えは、(食事のこともしっかり考えて)治療してみてくださいということになります。
成長期に乳製品は摂る、お肉は摂るということで十分なんですけれども、ほかの動物がよその動物のお乳を飲むことはめったにありませんから、乳製品は無理やり摂らなくてよい。
それと、乳製品でカルシウムを取れるというのはほとんど間違いです。
カルシウムパラドックスというのが起こりまして、体が酸性に変わった場合、骨に沈着せずに大血管に沈着していきます。
ですから、乳製品でカルシウムを摂るというのは、うちでは全く勧めません。
根本的なこととして、我々が真核細胞となって多細胞生物となったときに、ミトコンドリアと共生をして、慢性炎症の中で粘膜が脱落して再生するときに、その細胞が生きていくという状況を獲得して、ミトコンドリアが呼吸不善を越えたのががん細胞です。
ちょっと難しい話ですけど、こういう状態を覚えておくと、どのように治療すべきか、理解しやすくなってきます。
9.「食」と死亡率の変化
日本のがん死亡率は、1947年、戦後統計をとり出してから右肩上がりにずっと上がっています。 今ちょうど10万人の人口に対して300ぐらいになっています。 ほかの病気でこのように上 がっているのは、肺炎が一時よくなっていたのが上がって、高齢化によるものがほとんどですけれども、がん死亡率だけが一回も下がらずに右肩上がりです。 これは社会の状況の変化とい うか、むしろ食生活の変化がほとんどです。 (図表10)
一方、アメリカのがん死亡率も1960年ごろからずっと右肩上がりで、1990年ぐらいまで上がってきます。
その後下がってきます。
これはなぜかといいますと、ここの赤い線を見てください。
この赤い線は、心血管障害による死亡で、血管が悪くて死ぬ方がアメリカでは膨大な数だったのを、食事を変えなさいというマグガバンレポートが1973年に出ます。
その後急速に下がってきます。
食事を変える人が増えて、20年後にがん死亡率が下がります。
(図表11)
日本でもこの現象と同じことが長野県で起こっていまして、長野が今日本一長寿県になっているのは、佐久病院というところに若月俊一先生が今から40年以上前に行かれて食事を変えさせたということが大きな原因と思います。
日本のがん治療医はこういう話を一切しません。
ちなみに、私のところに来たあるジャーナリストは、これは統計の年齢修正を加えたら変わるでしょうと。
もし年齢修正を加えるので変わるのなら、アメリカのがん死亡率は緩やかであろうとも上がっていくわけですから、下がるということは全然トレンドが違うので、人口のバックグラウンドはアメリカも高齢化していますから正しくないように思います。
ですから、食事を変えることをして20年経つとがんは大人しくなります。
でも、現実に自分ががんのときは20年待てませんから、もっとやり方はあるんですけれども、このように食事を変えるとがん死亡率が下がる。
一方で、血管もきれいになる。
とすると、認知症ももっとよくなる可能性があります。
10.がん細胞の特性
森さんがまとめてくれたがんの五つの特性を見ていきますと、がんは、生きていくために
1)NHE、ナトリウム・プロトン交換器を活性化する。
2)ブドウ糖輸送機が大量に発現する。
3)IGF-1・mTORという細胞分裂の軸の活性が強まる。
4)脂肪酸合成酵素の活性が高い。
5)NFκBという炎症を伝達する信号が高く上がってくる。
ということです。
(図表12)
これらの特性をもし制御すれば、がんが増殖しにくくなります。
ちなみに、この絵、これは「Nature」から取り出した絵ですけれども、皆さん方はがん細胞の中がアルカリであるということは余りご存じないかもしれません。
がん細胞の外が酸性です。
この落差を保っているのがNHE1というナトリウム・ハイドロジェン・エクスチェンジャー、ナトリウム水素交換器です。
この働きは細胞内を酸性化するか、細胞外をアルカリ化すると止まります。
細胞内の酸性化はなかなかできないので、そうしますと細胞外のアルカリ化が必要になります。(図表13)
11.症例6(乳がんの全身転移、抗がん剤をやめ、植物中心の食事と青梅エキスでがんが大人しくなった)
抗がん剤を減量したりしたら、がんが大人しくなるというようなことを書いてありますけれども(図表14)、 ある乳がんの患者さんで、私のところに来たのが6年前ですね。
30代で乳がんの手術をして、生活を変えるということは誰も教えてくれなかったので、同じ生活をしていたら、8年後に乳がんが再発して全身に広がった。
肺の中にもいっぱい腫瘍が転移して、胸水もたまっていますし、骨にも転移しています。
患者さんは車椅子で来ましたけれども、一般的にこのままでは亡くなられますね。
抗がん剤をやめる言うても担当の先生は絶対にさせてくれませんから、まず減らしなさい。
減らすとともに、なるべく行かないようにしなさい。
そうすると間が開けられます。
患者さんも初めて僕のところに来て、こんなことをやってよくなるかどうか心配だから躊躇しますけれども、この患者さんは僕の何らかの記事を見て、ここに行かんと死ぬと思って来たそうで、比較的言うことを聞いてくれました。
それで、2年ほど経って全部薬をやめさせたところ、こういう具合にどんどんがんが縮んできます。
白血球の中で下がったのは好中球です。
6,900あったのが、2年後には2,600に減ります。
リンパ球は590が1,400に上がります。
そのときにCRPが一緒に下がってきます。
そうなりますと、このようにがんは大人しくなります。
この頃CTを撮りに行けと言っても、嫌ですと行きません。
撮る必要もなさそうなデータなので、まあ、いいよと。
この人の食事は植物が中心で、精製していない玄米をとらせて、大量の梅エキスを摂らせた。
12.がんの治療の基本概念
これは今から10年ぐらい前に書いた絵ですけれども、がんのすみにくい体があるんだ。 そして、免疫を上げなくちゃだめなんだ。そして、どうにも止まらんときには、緩やかに抗がん剤も含めて治療します。(図表15)
丸山ワクチンは、この部分を分担してくれそうです。 しかも、どうも炎症がおさまる自然免疫を活性化する感じがあります。
13.症例7(肺がんの全身転移、抗がん剤と青梅エキス、イチイの木の煎じ薬、紅豆杉で治療)
例えば、ここにあるスライドは、もう4年前になりますね。
患者さんの全身に黒いポチがあるのは、全部肺がんの転移です。
がん性心膜炎で、心臓の周りにもがんが広がっています。
この方は全身転移、特に骨転移を多数認めています。
幸い分子標的薬が有効だったので、イレッサにベスタチンという薬を併用しました。
このベスタチンは、今ではそう考えられますけれども、CD44、アミノペプチダーゼ阻害薬なので、がん幹細胞の治療薬として使えると考えられます。
梅エキスと、イチイの木の煎じ薬、紅豆杉を併せて摂らせました。
よく見ますと、肺に無数に点状の陰影があります。
これは、この治療をした4~5カ月後に近所の病院で胸水ドレナージのときに膿胸になったので治療をしているところですけれども、これがこのように、ほぼ消えてきます。
1年数カ月ですね。
でも、この辺に残っておるので、これで治ったわけじゃなしに、その後去年の12月に、非常に大きな再発が出てきたんですけれども、アリムタ、アバスチンという抗がん剤と、分子標的薬のEGFR標的のイレッサ、タルセバの効かなくなった場合にタグリッソというのがあって、これを併用して今元気に生活しています。
彼は、会社の経営者ですけれども、この間ほんの少し仕事を休んだけど、ほぼ経営を自分で元気にやっております。
ですから、このようにいろんなことを止める方法はあります。
ただ、これは一般の医薬になっていない。
だから違うものを使うということになります。
このような特性を働かなくすると、がんは大人しくなります。(図表16、17)
ちなみに、ここに書いておりますように、今もう2,700名来ておられますけれども、この中で遠隔転移があるなどかなり重症の方が半分として、300人弱の方が効いているので、17~18から20%ぐらいの方がよくなったかなというような感じであります。(図表18)
でも、治ろうとした方しか治りません。自分で治すんだと思った方しか治りません。 最近かなりそういう方が増えましたけど、一方で、何かお任せで、座っていたら治るように思っている方もおられるので、なかなかこれは難しいとも感じます。
14.自分の身体をがんが住みにくい身体に変える
結局、がんというのは自分の体の中につくったものだと。 この「がんとエントロピー」という本の中に書いてあるんですけれども、ほとんどが食べ物、男の場合は酒と喫煙、最近、女の人に酒が増えて甘いものが多いと、女のすい臓がんがものすごく増えています。 このようにして、中にごみがたまると慢性炎症が起こります。 ごみの名前をエントロピーと呼びますけれども、この変な絵、ノーベル物理学賞をとったイリヤ・ブリコジーンという方が本に書いています。 この変な絵に従って摂るものを調節して、出すものを出したらエントロピー下がりますよと。 下げる方法は四つしかありません。 大便、小便、汗、呼吸、これだけです。(図表19)
がんを大人しくするには、自分の体をがんが住みにくい体に変えて免疫機能を上げて、緩やかにがんにブレーキをかける方向にするということになります。
(図表20)ですから、今駆け足でお話ししましたけれども、免疫を上げるのには、非常に丸山ワクチンはリーズナブルなもので、やっている人が結構おられます。
江上先生には申し訳ございませんけど、週3回A、B法で打つのを、1回でええからやれと、そんなんでも効く方には効きます。
がんが住みにくい体は、免疫を上げて、その時必ず炎症を抑える。
炎症がおさまるということはCRPというものがおさまるんですけど、それはNFκBという信号を抑えることになるんです。
ですから、がん周囲微細環境が酸性では免疫療法は効かない可能性が高いです。
というわけで、がんは私の考えでは代謝疾患で、丸山ワクチンは、今日もこうしてスライドを一緒に見せてもらいますと、どうも炎症も抑えてくれる可能性があって、しかも、リンパ球はいずれじわじわと上がってくるというわけで、費用対効果はかなりよい免疫療法ではないかと思います。(図表21)
結局、がんの患者さんは、自分ががんを体の奥につくっていますから、その仕組み、機構を逆に利用して免疫を上げて、緩やかな抗がん剤治療をしながら自分の力で治していく。
丸山ワクチンというのはリンパ球を上げ、好中球を下げ、免疫力を上げてくれそうです。
そのときに、そういうことを判定する先生がやっぱりいないと、患者さんは、これがいいのか悪いのか非常に不安になります。
今、医者の中には、先ほどから見せたような患者を診察したとき、まず最初に、あなたは治りませんと平気で言います。
抗がん剤で抑えるだけですと。
そんな治療は良くありません。
治らないかもしれないけど、治った方もいる。
だから一緒にやってみましょうと言ってあげないといけないんですけど、ただ、これもうっかり言いますと、治る言うたやないかとまた、はっきり言うとゆする方がおられます。
(笑)非常に微妙な問題ですけども、でも、治療には心が重要です。
というわけで駆け足にお話ししましたけれども、丸山ワクチンはいいものだと思います。
それを効かす体をぜひともつくってくださいということになると思います。
どうもご清聴ありがとうございました。
(拍手)