講演会(ご案内・ご報告)

第10回講演会

プログラム1
『ご挨拶』
NPO「丸山ワクチンとがんを考える会」副理事長:
丸山 茂雄


 皆さん、こんにちは。私は丸山千里の長男で、丸山茂雄と申します。丸山千里の長男ではありますが、医者ではありません。 家族として丸山千里の仕事をサポートしてきましたが、専門家ではありませんから表立っての活動は控えておりました。 幸いにしてというか不幸にしてというか2007年に食道がんにかかり末期だったので化学療法と放射線療法と丸山ワクチンを併用し、現在のところ安定した状態で生活しております。 したがって現在の日本のがん治療の実態を体験してしまったわけです。 そんなわけでこの特定非営利活動法人、すなわちNPO「丸山ワクチンとがんを考える会」のメンバーとして活動資格を得たと認識し、篠原一先生のもとで副理事長として活動しております。

篠原先生はご紹介するまでもなく高名な政治学の学者であり、80歳をはるかに超えられてご高齢でありますけれども、まことに頭がシャープでいらっしゃいます。今回が第10回で、これまで9回は篠原理事長がご挨拶をしております。 この「丸山ワクチンとがんを考える会」の趣旨と、1年間どんなことがあったかということをレビューして、それから講師の方々をご紹介して講演に移るという形をとっておりました。

けれども、きょうは篠原先生がご欠席ということで、私が代わりにお話することになりました。 きょうお手元にお配りした中に、篠原先生がきょうの会のために書かれたご挨拶文があります。 趣旨というのはここにすべて入っていますのでこれを読み上げるという考え方がありましたが、篠原先生が「いや、これはこれでいいんだけれども、あんた自分で勝手にしゃべりなさい」という指示がありましたので、じゃあ、そうしようかなと思いまして先生の「ご挨拶」を読んでいましたら、やはりこれがまことに簡潔にしてきっちりと要領よくまとめられています。

ぜひ皆さんにお読みいただきたいのですが、特に一番大事なのは、「あくまでも私論にすぎませんが」で始まる最後の段落です。 がんの3大標準療法というのは昔から現在に至るまで、外科の処置と放射線とそれから抗がん剤という化学療法というふうになっていますけれども、自然免疫の発見というのが1970年代にあって、それを発見された方が昨年ノーベル賞を受けられて、今自然免疫の研究がものすごい勢いで進んでいます。 それとがんとの関わり方というのががんの免疫療法ということで期待されているわけで、この1年、学問というのは急に流行になるというのも変な話なんですが、注目されているということは事実であります。

そこできょうの講演会は高橋先生と福生先生にこの部分についてのお話をいただくということになります。 私は先ほども申しましたたように専門家ではありませんから、これについては何も申し上げることはありません。 最後まで高橋先生と福生先生のご講演をお聞きいただければ、「あっ、なるほどな」というふうにお思いいただけるかと思います。 ということで私の長い話は終わりまして、高橋先生の講演のほうに移らせていただきたいと思います。 ありがとうございました。(拍手)




ご挨拶

 ご多忙のところ、第10回講演会に多くの皆様がお集まりくださり,有難うございました。2005年に結成された『丸山ワクチンとがんを考える会』も年輪を重ね、恒例の講演会も10回目を迎えることになりましたが、丸山ワクチンの認可申請が保留にされてからを考えると、30年以上の歳月が経過したことになります。 この間私などは老齢化が進み、本日は予定していた講演会出席もできなくなってしまいました。それはともかく、長い間丸山ワクチンは放置されてきたものです。

 しかし、丸山ワクチンをめぐる状況は大きく変化しつつあるように思われます。 NPOが結成されたこと自体がそのひとつの表れですが、この間ワクチンが有効であるという症例が積み重ねられ、またこれから高橋先生が述べられるであろうように、自然免疫と丸山ワクチンとの関係が基礎医学的に立証されるようになり、それが外国の専門書にも掲載されるようになりました。

 この一年丸山ワクチンをめぐってはいろいろのことがありました。 2月には週刊「ポスト」では、週刊誌にしては、クールで、正確な記事が2回にわたって掲載され、それに続いて週刊「女性自身」でも取り上げられました。 しかし何よりも注目すべきことは、同じく2月に井口民樹、丸山茂雄共著『今こそ丸山ワクチンを』(KKベストセラーズ)が出版されたことでしょう。 日本医科大学ワクチン療法研究施設が積み上げた膨大なデータを基にした臨床結果の分析と、高橋先生の自然免疫論のわかりやすい説明が盛り込まれた、最も新しい丸山ワクチン論です。 ぜひご精読ください。 また、朝日新聞の代表的な科学ジャーナリストであった田辺功さんも「食品と暮らしの安全」(No.2/5,2012,3,1発行)の中で、「私も使いたい丸山ワクチン」という論考を書かれました。 これらの出版物のせいか、丸山ワクチンの認知度が上昇しているような気がします。

 あくまでも私論にすぎませんが、3大標準療法以外は「人にあらず」のこれまでの風潮に対して、自然免疫の発見にノーベル賞が与えられたことも関係があるのかわかりませんが、最近免疫療法が注目されるようになりました。 これは、人間の治療にあたって、部分ではなく、体全体の在り方を問題にしようという傾向の表れで、この流れに呼応するかのように東洋医学、つまり漢方の比重増加も顕著になりつつあります。 流れが微妙に変化しているように思われます。あとは丸山ワクチンの認可が待たれるのみです。

 ご案内にあるように、今回も、基礎医学と臨床の双方に関するご講演を準備しました。 少しでも皆様のお役にたてば幸いです。

2012年5月12日
NPO『丸山ワクチンとがんを考える会』理事長 篠原 一